私は尋常性乾癬という慢性の皮膚病を患っています。
これは簡単に言えば皮膚のあちこちで炎症が起こる病気で、高校生の頃に発症しました。だからもう人生の半分ぐらいは既に乾癬です。
私の場合、治療としては外用薬を塗って炎症を抑えています。自己免疫系の疾患のためまだ根治方法は無く、対症療法するしかありません。症状がひどいと飲み薬や注射を使ったりするので、私はまだマシな方です。
外用薬はステロイド(炎症を抑える効果)やビタミンD(皮膚を正常化する効果)で、以前はステロイドとビタミンDの単剤を交互に塗ったりしていたのですが、最近はステロイドとビタミンDが一緒になった合成剤が開発され、そちらが主流になっています。
外用薬のタイプについても様々なものが開発されており、軟膏やクリームだけでなくゲルやシャンプーもあるのですが、最近新しくフォームも発売されました。
具体的に言うと、ステロイド・ビタミンD合成剤のドボベットシリーズから「ドボベットフォーム」が出たんですよね。
最近、体重増加のせいもあってかより幅広い部位に発症するようになり、先生からこのフォームを勧められました。先生曰く、軟膏よりも効きが良いそうです。最初に提案されたときは軟膏で十分と思って断ったのですが、少し前の通院のときに一回試してみようと思って、フォームを処方してもらいました。

内容量60グラムのスプレー缶入りで、スプレーを噴射すると薬剤が出てくる仕組み。60グラム入りなので窓口で払う金額は高いですが、グラムあたりの単価は他のタイプと変わらないそうな(領収書とかは捨てたのでもう分からん)。
薬剤はひんやりしており、噴射した直後は少しシャリシャリしたシャーベット状に感じます。

で、この新しいフォームを使ってみた感想なのですが、結論から言うと私の使い方には合いませんでした。。。
まず第一に塗り方が難しい。
スプレータイプなので患部に直接噴射するのが一番簡単ですが、そもそもそんな都合よくスプレーできる部位に発症しているとは限らず、胴体や背中にスプレーするのは難しいわけです。
そうすると一旦手のひらにスプレーしてから、それを指ですくい取って塗っていくというスタイルになるわけですが、それはそれで適量が全然分からなくなるんですよね。軟膏の場合は「人差し指の先から第1関節までの量で、指を含む手のひら2枚分(1FTU)」という目安があります。フォームの場合も「2秒間噴射した量で、手のひら2枚分」という目安はありますが、スプレーすると薬剤は山のように積み重なるので指で取る量を調整するのが難しく、軟膏ほどの柔軟性(?)もないので綿棒を使うのも中々難しく(綿棒だと取りにくい、塊で取れてしまう)、なんか塗りすぎてしまう感じがしました。塗る時間、労力も軟膏のときより増した感じです。
また、この使い方だと毎回必ず手のひらがベッタベタになって、入念に手を洗わないといけなくなるのが面倒臭いです。軟膏の時は指先だけで済んでいたのでそこまで苦労しませんが、手のひらにべったりと付いた油性の薬剤を取るのは苦労します。手の届く範囲に応じて両手に噴射するので、尚更です。
そして、個人的に一番の問題点だったのが、噴射すると「油性の霧」が広範に舞う、という点でした。
スプレーすると薬剤だけでなく薬剤を含んだ霧も一緒に出てきて、それが部屋中に撒き散らされるのです。
スプレータイプだからしょうがないといえばしょうがないのですが、私は現在会社の独身寮に住んでおり水回りは共用であることから、居室で使用していました。しかしそうすると、部屋中の小物などに「油性の霧」による汚れが付きまくってしまうんですよね。床とか壁も同様です。



最初気付いた時は「なんだこれ?どこで付いたんだ?」と思っていたのですが、ドボベットフォームだと気付いてからは、使う時は机の下に潜ってスプレーしていましたw ただ、それでも完全に防ぐのは難しかったです。
普通の住まいなら洗面所とかで使用すれば被害は最小限に抑えられると思いますが、それでも嫌という人もいるでしょう。
私は小物に付くのも嫌でしたが、PCの空冷機構によってPC内部に油性の汚れが溜まるのも心配で、途中からは早く使い切りたい、むしろ使用を中止したいとか思っていました。
結局、使い切ってから先生に事情を説明して、軟膏に戻してもらいました。今のところフォームをリピートする気はありません。
先生は「効きはいいんですけどねぇ」と言っていたのですが、個人的には肝心の効き具合もあまり差を感じませんでした。。もともと軟膏でも十分に効いていたので、あまり差を感じにくいのかもしれません。軟膏が効きにくい、という人であれば効果が感じられるのかもしれませんが・・・。
そういえば頭皮の患部用としてシャンプータイプのコムクロシャンプーを使ってみたときも、なんかイマイチでリピートしませんでした。どうも新しいタイプの薬とは相性が合いません。。まあ、長い使いになる病気なので、自分にあった薬を使っていくのが一番良いですね。
以上、ドボベットフォームを使ってみた感想でした。。
  
  
  
  
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