少し前から書き始めている国政選挙の感想シリーズですが、前回の参院選のときはめんどくさくてやめてましたが、今回は衆院選だし、書いておこうかなと思います。
今回の解散のタイミングはセンスが無い
年明け早々駆け巡った「通常国会冒頭での衆議院解散」。解散風が突如として吹き始め、瞬く間に突風となり衆議院が解散されました。
前回の選挙から1年3ヶ月しか経っていないということもあり色々批判されましたが、私としては解散自体には一定の合理性があるとは思っていました。
前回の総選挙で少数与党に転落し、高市内閣発足時には日本維新の会が連立政権に加わる一方で公明党が離脱し、少数与党の状態が継続しました。その後無所属議員が与党会派入りすることで薄氷の過半数は取ったものの、連立政党での過半数には依然届いていない状態でした。一応、前回の選挙から総理も政権の枠組みも変わったということもあり、ここで衆議院を解散して過半数の獲得を目指す、というのは筋が通っているとは思うんですよね。やっぱり少数与党政権による国政の不安定化はリスクだと思いますし。
ただまあ、タイミングが悪すぎました。解散するならせめて年明け前までがタイムリミットだったと思います。
今回年明けの通常国会冒頭解散となったことで、予算の年度内成立が困難になってしまいました。国家の運営に支障をきたすタイミングで解散総選挙をするというのは、ちょっとセンスが無いなと思います。年明け前でも年明け後でも批判は受けたと思いますが、別に年明け前でも「政策を強力に推進するために過半数を目指す」と説明すれば良かっただけでは、と思います。
それ以上にセンスが無かった立憲民主党
ただまあ、それを上回るセンスの無さを発揮したのが立憲民主党でした。
解散が事実上決まるや否や公明党と合併し、新党・中道改革連合を結成。「公明票」を当てにしての電撃合併でしたが、もう私はこの瞬間「終わったな」と思いました。。
確かに、公明党が連立政権を離脱してからというものの「公明票」が選挙結果を左右するという言説はあちこちで聞かれました。前回の選挙結果で公明票を動かしたら野党が圧勝だ、自民党はかなりの苦戦を強いられる、とか。今回の合併劇は公明票の取り込みを確固たるものとし、野党第一党としての勢力を補強して選挙に臨むことで議席を増やすという思惑からのものだったのでしょうが、結果は・・・。
私は最近の選挙で急に持ち上げられるようになった「野党共闘」には懐疑的な考えを持っていました。「野党」という政党が存在するのではなく単に分類として「野党」があるだけで、実際はそれぞれ異なる考えを持った政党がバラバラに存在しているわけです。ただ単に、野党なんだから候補者統一して自民党に対抗しようなんていうのは、有権者を馬鹿にした行為だと思っていました。そういった意味では、実際に政党を合併して1つの政党にしてから選挙に臨むのは筋が通った話のようには見えました。がしかし、合併するのは衆議院だけで参議院では立憲民主党、公明党が引き続き存在するという、なんとも中途半端な状態。結局、選挙のための野合という印象を拭うことはできませんでした。
そして「中道改革連合」というネーミングセンスも壊滅的でした。字面から溢れ出るキツい政治臭、おっさん臭、自ら「中道」を名乗るおかしさ・・・こんなの浸透するわけでないし、支持も広げられるはずがありません。いっそ「公明民主党」だったら分かりやすかったし、これまでの知名度も引き継げたと思うのですがw←
やっぱり「中道」というワードチョイスが致命的にナンセンスだっと思います。政治的に「中道」って、「普通」みたいな感じの意味合いなわけです。で、本当に普通の人はわざわざ自分のことを「普通です」とかわざわざ言わないですし、そんなこと言ってくる奴がいたら滅茶苦茶怪しいです。「中道改革連合」って自分のことを「普通です」と言っているのと同じことで、ちょっとこれは一般有権者の感覚とは相容れないネーミングなんですよね。まして、これまで立憲民主党って右派・自民党に対抗する左派政党として認識されていたはずなわけで、そういう連中が「左にも偏っていません、真ん中です」なんて言うなんてあまりも滑稽過ぎますし、「嘘つけ」となって信用されないのは当たり前の話だったと思います。
なんか、いつか民進党(民主党)が小池新党・希望の党に合流したときもそうでしたが、選挙を前にして最大野党が消滅するのって、何故なのでしょうか…。
自民歴史的大勝で立憲は消滅
それで、蓋を開けたら自民党の圧勝で、単独過半数どころか単独2/3に達する歴史的大勝を収めました。高市内閣の支持率が6〜7割あるという状況に加えて、選挙前に最大野党が「消滅」したということもあって、自民党のバフがもの凄かったです。
中道改革連合はというと、公示前の167議席から49議席へと半減どころか1/3に激減するという極めて厳しい結果に。そして、公明系議員を比例名簿の上位に置いたことで公明系28、立憲系21と、公明系の方が多数派になるまさかの事態になりました。立憲民主党に限って見れば144→21で85%減という、消滅レベルの凄惨たる結果でした。ほんと、何もかもが上手くいなかったなぁと思います。。
まあ、この話も公明党側から出てきた話だったのだろうなと思います。創価学会・公明票が〜みたいな感じで公明票の絶大な影響を持っているかのような報道や分析が相次いでいましたが、そもそも公明党の方もこれまでの自民党との連立で相当の「与党バフ」が付いていたはずです。「内閣は支持するが、積極的に自民党には入れたくないので公明党」という層も一定程度いたはずですし、そもそも最大政党たる自民党からの選挙協力もあったわけなんですよね。与党バフを失って迎える選挙では壊滅的結果になる可能性は高く、そんな中で創価学会票を餌にして立憲民主党に擦り寄ることで公明党の壊滅的結果を回避あるいは責任の所在を曖昧にすることを画策したが、結果的には抱きついて自爆したみたいなことになりました←
選挙前は「自民党の政党支持率はそこまで回復していない」「公明票が野党に流れれば自民党はヤバい」みたいな“希望的観測”が溢れていましたが、そもそも高市内閣の支持率が6〜7割という非常に高い水準である中で、「ちょっと今回は中道改革連合に入れてみようかしら」なんて思う有権者が多数派になるわけないですよ。政党支持率だって自民党が2〜3割ある中で、次点の中道改革連合は1割前後ですからね。はなから厳しい選挙戦だったとは思います。ただまあ、それにトドメを刺したのは「中道改革連合」自分自身だったと思いますが…。
しかし、自民党で316議席と単独2/3を超える議席は、ちょっと勝ち過ぎじゃないかなぁと思います。最大野党が選挙前に消滅した影響とはいえ、政権に対峙する野党が消滅するレベルの議席はちょっと・・・。しかも比例で候補者不足で14議席を他党に譲ってますから、理論上は330議席を獲得していたはずでその議席占有率は7割に達するので、ちょっと異次元の数値です。ただまあ、この自民圧勝により日本維新の会の影響力が弱まり、議員定数削減やら大阪副首都やらの意味不明な政策の実現度が下がるという期待は生まれますが…。
個人的には、高市内閣は支持していません。私自身は保守派であり右翼を自認していますが、「右翼スター」であるはずの高市内閣は支持できないんですよね。。高市は典型的「日本スゴイ政治家」ですし、国会答弁や演説などからしてもちょっとその能力にも疑問があるので危なっかしく感じます。日本国民が「日本はすごい」などと愛国心や誇りを持つのは結構なことだと思いますが、「日本はすごい」と言っていれば日本が良くなるわけではないですし、その地位が維持されるわけでもないと思っています。「日本はすごい」と言ってさえいれば、信じてさえいれば勝手に日本が良くなると思っている自称保守派政治家は嫌いです。。アベノミクス時代と状況が違うのにアベノミクスの再現をしようとしているし、「国論を二分する政策を実現するため」と言いつつ何が国論を二分する政策なのか選挙で訴えないし、公共放送(NHK)の党首討論番組は仮病で欠席するし、高市はちょっと危うい政治家だと思っています。。
というわけで、今回の選挙では小選挙区は苦渋の選択で中道改革連合に、比例はいつも通り国民民主党に投票しました。小選挙区は自民党と中道改革連合の一騎打ちとなっていたので、高市自民党への投票を回避するため苦肉の策として中道改革連合に投票しました。左派政党に投票するのは初めてです(爆)。まあ、自民候補者は移民積極受け入れ派、中道候補者は移民慎重派だったというのはありますが…。クッソ寒かったしアホみたいな構図の選挙だから棄権することも検討しましたが、とりあえず行きました。投票記載台がキンッキンに冷えてて凍傷になるかと思いました←
高市一強の向かう先は
自民党単独で2/3の圧倒的多数を抑えることで「高市一強」への道を歩み始めた高市政権。このまま日本がどうなっていくのか、正直不安ではあります。
ただまあ、ここで効いてくるのが石破政権の置き土産である「参院少数」というのがなんとも皮肉です。政権のフリーハンドを得たかと思いきや、参議院では依然少数与党でありますから、参議院が足枷となるわけです。理論上は衆議院で自民党単独でも再可決できますが、そう乱発できる代物でもないでしょう。石破が裏金などの自民党の問題を一身に背負って自爆して退陣を余儀なくされましたが、結果的に「参院少数与党」が最大の功績だったと言えるのかも…。
しかし、野党は野党でどうなっていくでしょうね。やっぱり左派政党が広く支持を集める、政権を取るなんてのはもう無理だから、右派・保守派の大きな野党ができないと、自民党に対抗できないでしょう。本当は自民党が割れて、自民党穏健派と立憲民主党右派、国民民主党あたりが合流するとちょうど良いと思っていましたが、自民党が割れるのは無理そうなので国民民主党と立憲民主党右派が合流するしか…。もう「左翼の夢」は諦めてもらいたいものです。
ほんと、これから国会、政治はどうなっていくんでしょうかねぇ。
付録
各局の議席予測まとめ
| NN | 自民 | 維新 | 中道 | 国民 | 参政 | みらい | 共産 | れいわ | 社民 | 保守 | 減ゆ | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| NHK | 274〜328 | 28〜38 | 37〜91 | 18〜35 | 5〜14 | 7〜13 | 3〜8 | 0〜2 | 0 | 0〜1 | 0〜3 | 3〜8 |
| TBS | 321 | 35 | 50 | 29 | 11 | 8 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 |
| 日テレ | 305 | 36 | 54 | 32 | 13 | 9 | 5 | 1 | 0 | 0 | 2 | 9 |
| テレ朝 | 313 | 35 | 44 | 30 | 15 | 12 | 5 | 3 | 0 | 0 | 2 | 6 |
| フジ | 292〜329 | 30〜38 | 36〜66 | 22〜33 | 10〜16 | 8〜13 | 2〜7 | 0〜3 | 0〜1 | 0〜2 | 1〜2 | 3〜8 |
| テレ東 | 314 | 35 | 50 | 30 | 14 | 9 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | ? |
| 結果 | 316 | 36 | 49 | 28 | 15 | 11 | 4 | 1 | 0 | 0 | 1 | 4 |
今回からNHKだけでなくフジも幅のある予測になっていました。なんとなくTBSの精度が高いって感じですかね?
個人的に注目したい選挙当落
- 岩手3区:中道 小沢一郎が落選(比例復活もならず)
- 宮城4区:中道 安住淳 共同幹事長が落選(比例復活もならず)
野党第一党幹事長、落選。正直この人は色んな層から嫌われてそうだから、さもありなんか。 - 新潟4区:中道 米山隆一が落選(比例復活もならず)
- 福島2区:中道 玄葉光一郎 前衆院副議長・元外務大臣が落選(比例復活もならず)
- 埼玉5区:中道 枝野幸男 元立民代表・元官房長官が落選(比例復活もならず)
立憲民主党創設者も容赦無く落選 - 千葉4区:中道 水沼秀幸が落選(比例復活もならず)
過剰なヤジで叩かれていた議員、落選してた - 東京1区:中道 海江田万里 元民主党代表・元経産大臣が落選(比例復活もならず)
- 東京7区:自民 丸川珠代が当選
無職になった丸川珠代、早くも復職 - 三重3区:中道 岡田克也 元民主党代表・元外務大臣が落選(比例重複立候補せず)
- 奈良1区:中道 馬淵澄夫 共同選対委員長・元国交大臣が落選(比例復活もならず)
- 大阪5区:自民 杉田水脈が落選(比例復活もならず)
- 宮崎2区:自民 江藤拓 元農水大臣が小選挙区落選も比例復活
中道改革連合は、多くの立憲民主系大物・ベテラン議員が落選するという凄惨たる結果でした。惜敗率的には比例復活してもおかしくない候補者も多かったですが、比例名簿上位は公明系が占めていた影響でほとんどの立憲民主系候補者が比例復活できず、公明党へのヘイトは相当溜まっていそうです。立憲民主は立て直しができる人材が残っているのかどうかすら危うい。。

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