最近、両刃カミソリで髭を剃っている

長いこと髭剃りは電気シェーバーでやってきたのですが、最近は「両刃カミソリ」というもので髭を剃っています。

T字カミソリではなく両刃カミソリ???と思われるでしょうが、こんな感じのカミソリです。

今でいうT字カミソリ(カートリッジ式カミソリ)が発明される前に使われていた古いタイプのカミソリで、側面が両方とも刃になっている平べったい1枚刃を交換するカミソリです。

そう、つまり「一枚刃」のカミソリなんです。T字がどんどん歯の数が増えていき5枚刃とか出ていますが、こちらは一枚刃。

一般的には3ピース構造となっており、ヘッドキャップとベースプレートの間に替刃をセットして、ハンドルでネジを締めて固定します。

これにブラシを使ってシェービングソープ(クリーム)を泡立てて顔に塗り、両刃カミソリで剃ることを「クラシックシェービング」といいます。T字もといカートリッジ式カミソリが発明される以前の、昔ながらの髭剃りスタイルってことですね。

何かの拍子で両刃カミソリのYouTube動画を見てしまい、試してみたくなって一式を買い揃えました。

そしてもう既に両刃カミソリホルダーは3本、シェービングブラシも3本あります(爆

どこかにあったウェットシェービングへの憧れ

手軽さももちろんですが、肌が弱いこともあり髭剃りはずーっと電気シェーバーを使ってきました。しかし、心の片隅にはウェットシェービングに対する憧れも持っていました。(電気シェーバーでもウェット剃りはできますが、ここでは便宜的にカミソリを使って髭を剃ることをウェットシェービングといいます)

一般的に肌に刃が直接当たるカミソリのほうが電気シェーバーよりも深剃りができるとされており、髭が濃い私は深剃りを求めているのと、何よりもウェットシェービングの所作が優雅でカッコイイと感じていたからです。

なので以前はたまにT字カミソリを使ってみることもありました。しかし、時間がかかるというのもそうですが、やっぱり肌に対するダメージが強くて、T字カミソリがメインのシェービング手段になることはありませんでした。

就職してからは独身寮生活で洗面所が共用ということもあってウェットシェービングからはすっかり遠ざかり、いつのまにかウェットシェービングへの憧れも失われつつあった最近、見つけてしまったのが両刃カミソリのYouTube動画。

いや、両刃カミソリ自体は前から見たことがありました。数年前にイギリス人理容師がひたすら髭を剃るというYouTube動画を何かの拍子で見つけてしまい、一時期はよく見ていました。そのイギリス人が自分で髭を剃る時に使っていたのが両刃カミソリで、当時両刃カミソリを全く知らなかった私は「業務用ではこんなカミソリがあるんだぁ、かっこいいなぁ」ぐらいに思っていたのです。一般に流通しているものとは思わなかったのですね。

しかし、今回は何かの拍子で日本語の両刃カミソリ動画を見つけ、一般人が買えるものであることを知りました。しかも、両刃カミソリはよく深剃りができて、なおかつ肌へも優しいといいます。深剃りしつつ肌へも優しいという、全ての男性が求める答えがそこにあったのです←

最近ちょうど電気シェーバーへの不満(深剃りができない)が溜まっていたのもあり、結構悩んだのですが結局ポチってしましましたw

両刃カミソリはゲームのように楽しい

最初に買った両刃カミソリホルダーはRockwell 6Cというもの。冒頭で紹介したホルダーです。

両刃カミソリはホルダー(本体)によって剃り味がそれぞれ異なります。肌に優しい(マイルド)とか攻撃的(アグレッシブ)とか、アグレッシブで深剃りできるとかマイルドだけど効率的に剃れるとか、ホルダーによって味付けが千差万別なのです。

一応、入門用の定番モデルというのがいくつかあり、Rockwell 6Cもそれに含まれるのですが、Rockwell 6Cの特徴は「ベースプレート交換による調整式」であり、そこが決め手でRockwell 6Cにしました。

このホルダーにはベースプレートが3つ付いており、それぞれの裏表も使うことで計6種類の剃り味を1本のホルダーで使い分けることができるという優れモノなのです。

ヒゲが濃ゆくて肌が弱い私は、マイルドすぎると深剃りできない、アグレッシブすぎるとカミソリ負けする、という可能性が高く、ホルダー選びでの失敗を防ぐために調整式のRockwell 6Cにしました。これで6本のホルダーを買ったのと同じようなものですからね。

そしてブラシやシェービング剤などシェービング用品一式も揃え、8月の盆明けからクラシックシェービングを始めました。

なのでもう2ヶ月ちょいが経ちますが、クラシックシェービングはまだまだ修行中の身ですw

正直、まだ深剃りにも肌への優しさにも満足していません。サスペンションなどが一切ついていない両刃カミソリは、刃を当てる力や角度を全て自分で的確にコントロールする必要があるため、やっぱり難しいです。最初のうちはポツポツ出血したりヒリヒリすることも多く、「話がちげぇじゃねぇか!」ってなりました←

でもクラシックシェービングを続けていくうちに腕が上がっていき、最初はR2プレート(下から2番目の強さ)で出血やヒリヒリに悩んでいたのが、1ヶ月ほど経つとR4プレート(下から4番目=上から3番目の強さ)を使ってもほとんど出血もヒリヒリもせず剃れるようになりました。ウェットシェービングに肌が順応しただけかもしれませんが。両刃カミソリは難しいからこそ「明日はこうやって剃ってみよう、ここを改善してみよう、あのテクニックを試してみよう」などと試行錯誤を繰り返しながらレベルアップしていくゲームのような楽しさ、面白さがあります。1日の終わりにはその日のシェービングの反省点と改善点を考えながら眠りに就くのです←

もちろん、ブラシを使ってソープ(クリーム)を泡立てて顔に塗り、両刃カミソリで髭を剃るという所作はカートリッジ式カミソリ以上に優雅で、上質なひと時をもたらしてくれます。

ただ、やっぱり時間はかかります。私の場合は電気シェーバーからの移行でしたので尚更です。準備から片付けまでは20分以上かかりますので、早起きして剃らねばなりません。

正直、満足できないシェービング品質と長い所用時間から両刃カミソリを辞めようと思ったこともあったのですが、ある日実家に帰ったとき電気シェーバーを実家に忘れるという失態を犯し、しばらくウェットシェービングするしかない環境に強制的に置かれたおかげで朝早く起きてウェットシェービングすることが習慣化し、続けることができましたw

両刃カミソリは古くて新しい?

両刃カミソリはカートリッジ式カミソリが発明される前のカミソリであり、両刃カミソリが主流だった時代へは50年以上遡る、かなり古いアイテムです。

しかし最近、両刃カミソリ界隈は盛り上がりを見せており、両刃カミソリはまさしく「古くて新しい」アイテムなのです。

実はここ15年のうちにRockwell、RazoRock、Henson Shavingといった新興メーカーが次々に生まれ、新しい製品を世に送り出しています。Muhle、Edwin Jaggerという昔からある有名メーカーも、2010年代になりそれぞれROCCA、3ONE6という新製品を開発し、いずれも名器として高い評価を受けています。

一昔前に比べると両刃カミソリに関するWeb上の情報も増えているのではないかと思います。以前、ウェットシェービングについて調べた時はカートリッジ式のことしか出てこなくて、「知る人ぞ知る上質なカミソリ」としてBulldogが出てくるというのが関の山でしたから。(まあ、日本においてはHenson Shavingがアフィリエイトプログラムで広告をばら撒いているというのもありますが…)

クラシックな業界にあるのも関わらず、最近熱を帯びていて面白いです。

両刃カミソリと腕時計は似ている

そして、両刃カミソリと腕時計は似ています。「あくまでも実用品」「光り物」「カッコイイ」「男の嗜み」「本当は1つあれば十分」など、共通点が多いんです。

そして、「沼」にハマってしまうのも同じです←

先述の通りホルダーの剃り味は千差万別であり、いろんなものを試してみたくなってしまうんですよね。しかも替刃によっても剃り味が変わるため、無限の組み合わせがあり、その沼は深くて大きいのですw 腕時計好きな方、収集癖がある方は両刃カミソリにもハマりやすいのではないでしょうか?

かくいう私も、冒頭で書いた通り既にホルダーもブラシも買い足してしまいました。ホルダーになると1万円前後するのですが、昨今の高級腕時計に比べたらめちゃくちゃ安いのでかなり買いやすいです…。シェービングボウルも最初は百均で適当に買った器から、KOJAK RAZORという両刃カミソリ専門店のオリジナルボウルを買ったりと、既に沼に片足を突っ込んでいます・・・。まだ初心者だし、程々にはしたいと思いますが。。。

というわけで両刃カミソリの世界もなかなか面白いので、今すでにカートリッジ式(T字)カミソリでウェットシェービングをしている方は、両刃カミソリ試してみるのもいいと思います。替刃も安くで経済的ですよ。

私も早くシェービング品質に満足できるように修行を積んで、ほとほどに楽しんでいきたいと思います。。

コメント

  1. 大抵の男性であれば気になるであろう情報提供をありがとうございます。
    恐れ入りますが、下記質問させてください。

    ★「肌に刃が直接当たるカミソリのほうが電気シェーバーよりも深剃り……」とのことですが、
     まさにおっしゃる通りで、深剃りが難しい電気式については個人的に苦手です。
     ぼくや様におかれましては、深剃りがきちんとできないと気になりますでしょうか。
    ★「両刃カミソリと腕時計は似ています」とのことですが、私としても
     利便性ばかりでなく、少々手間がかかる方がロマンを感じるものかと思いました。
     (時計においても、手間を避けたいならソーラー式などで十分ですが、機械式のロマンは魅力的)
     これについて、ご意見を頂戴すること可能でしょうか。
    ★「Rockwell 6C」ですが、公式サイトを拝見したところ大変魅力的に感じました。
     一点気になる点ですが、落下させた際に破損してしまう可能性はございますでしょうか。
     背景としては、私はシャワー中についでに髭を剃るのですが、その際に髭剃りを落下させてしまい
     何個か壊してしまった経験があるため、耐久性を気にしております。

    • ご質問ありがとうございます。Macの件、心中お察し申し上げます。

      ★深剃りについて
      髭が濃いこともあり、深剃りができていないと髭が目立ちがちですので、深剃りは重要ポイントとなっております。
      ★手間がかかる共通点について
      あぁ、その点は盲点でした。収集アイテムとしての共通点ばかりが浮かんでいましたが、確かに実用面で手間がかかるというのも同じですね。的確なご指摘と存じます。
      ★耐久性について
      両刃カミソリホルダーは全てのパーツが金属製であり、ネジで強固に固定されていることから落下によって本体が破損する可能性は低いのではないかと思います。
      ただ、Rockwell 6Cなど1万円前後のホルダーは亜鉛合金にクロムメッキを施したものになりますので、落下時の状況によってはメッキが損傷し、腐食の原因になることがあるかもしれません(石や金属の上に落とさない限り大丈夫だとも思いますが)。
      ステンレス製ホルダーであればその心配もありませんが、値段がお高くなるというデメリットがございます。

  2. 大変事細かく、わかりやすいご回答をありがとうございました。

    特に「Rockwell 6C」についての情報が大変参考になりました。
    私の質問の記載内容ですと、あくまで落下時の物理的損傷に対する耐久性に特化してしまいましたが
    金属腐食の点にまで触れていただき、大変助かりました。

    クロムメッキですと腐食が進行しやすいこともありますので、髭剃りを風呂場に置いたままにしている
    私としては、かなり気を遣って取り扱う必要がある旨認識致しました。
    (おそらく、落下させなかったとしても腐食が進行してしまうことが容易に想定されます)

    現状は市販の安価な髭剃りで対応しておりますが、将来的に検討案の一つとして挙げさせていただきます。
    有益な情報、ありがとうございました。

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