ティソから2022年にリリースされたラグスポ風腕時計のPRX。瞬く間にヒットし、一躍ティソを代表するモデルとなりました。

様々なバリエーションが追加され一大コレクションに拡大する中で、2023年には機械式のラインナップに35mm径ケースのモデルが追加。
40mmと35mmがラインナップされたことで細腕の人にも選びやすいシリーズとなったわけですが、逆に腕周り16台、16.5cm程度の比較的細腕とされる人たちには「40mmと35mm、どちらを選ぶべきか?」が新しい悩みの種として追加されました。
腕周り16cm未満の細腕の人であれば考えるまでもなく35mm一択になると思いますが、腕周り16.5cm程度の比較的細腕とされる人は30mm台の小径時計を好む人が多い一方で、40mmの時計も割とイケるので、35mmとなると「小さすぎないか?」と不安を覚えてしまうのです。
この40mmと35mmというのが両極端で、どちらにするか選ぶのが中々難しいんですよね。小径モデルが37mmとかであれば迷わずそちらを選んでいたのでしょうが、35mmとなるとメンズサイズとしては下限クラスなので、躊躇してしまいます。
16.5〜16.9cm程度の腕周りの私は店頭で見て、比べて、試着をしたうえで40mmがいい!と思って40mmを購入したのですが、程なくして35mmを買い直しました。

なので私の結論としては「16.5cm程度の腕周りの人なら35mmの方がおすすめ」になるのですが、せっかくですので今回は2つの実機を比べつつ、どちらか良いかを見ていきましょう。
40mm vs 35mm 実機比較
基本スペック
スペック | 35mmモデル | 40mmモデル |
---|---|---|
ケース径 | 35mm | 40mm |
ケース厚 | 10.93mm | |
ラグ幅 | 11mm | 12mm |
素材 | 316L ステンレススチール | |
防水性 | 10気圧(100m)防水 | |
キャリバー | Powermatic 80 | |
パワーリザーブ | 80時間 | |
重量 | 104g | 138g |
価格 | 107,800円(税込) |
あくまでもサイズ違いのバリエーションですので、基本的なスペックは同一です。
値段も一緒で、ムーブメントに関しても全く同じものを搭載しているため、本当に違いはサイズのみとなります。
ダイアル
次にダイアルの違いを見ていきましょう。

並べてみるとやはり40mmと35mmの5mmの差は結構大きいです。40mmの方が腕時計の存在感、力強さを感じさせられます。35mmは結構小ぶりな印象を与えます。
基本的には同じデザインですが、軽微な違いがあります。
- デイトが40mmでは少し中心寄り、35mmでは外周部に配置されている
- 35mmの方が「PRX」などの文字が若干太い
- 35mmの方がミニッツマーカーが若干太い
一番大きい違いはデイト表示の位置でしょうか。ケース径が違うのに積んでいるムーブメントは同じなので、デイトの位置が違います。
35mmはダイアルの外周部に配置されており、一般的な、自然な配置です。40mmは少し中央寄りの配置になっており、大きさを水増ししているような感じがあります。とはいえ不自然なほどではなく、許容範囲だと思います。むしろ最近の腕時計はこのような配置であるものも多いように思います。
ちなみに35mmは3時のインデックスが全くないように見えますが、ミニッツマーカーぐらいの大きさでちゃんとインデックスがあり、夜光も付いています(まあPRXの夜行はほとんど光らないですが…)。
35mmの方が文字やミニッツマーカーが大きいのは、ダイアル自体が小さくなっている中で視認性を確保するためと思われます。
逆に、針の太さや、竜頭、ダイアルの模様の大きさは40mmと35mmで同じです。特に針が同じ太さであることから、並べて見たときは35mmにずんぐりむっくりとした印象が感じられるかもしれません。でも単独で見た場合は別に気になるほどではないと思います。これも針を細くしたら視認性が低下するため、そのままにされたのだと思います。
ケース
40mmと35mmで同じムーブメントを搭載していることもあり、ケースの厚さも10.93mmで全く同じです。
ゆえに、40mmと35mmでは長さと厚さのバランスが異なります。


11mmを切るのでどちらにせよ薄型ではあるのですが、35mmの方が長さに対する厚みの比率が大きくなるので、40mmの方がプロポーションとしては整っているのように見えるかもしれません。
ちなみにシースルーバックの裏側はこんな感じ。40mmの方がよりフラットな感じです。


ブレスレット
40mmと35mmではケース径が違う分、35mmの方がブレスレットが細いです。

同じ腕周りの人が着ける場合、35mmの方がケースでカバーできる長さが短いので、ブレスレット部分が長くなります。当たり前ですが、40mmよりも35mmの方がフィット感が良いです。

クラスプも35mmの方が小さくなります。35mmモデルは16mmまでテーパーが効いているので、普段あまり小さい時計を使っていない場合、結構細く感じるかもしれません。


もともとPRXのクラスプはそんなにがっちりしたクラスプではないため、35mmの小さいクラスプは正直華奢な感じがします。
重さ
カタログスペック上の重さは40mmが138g、35mmが104gです。
私の腕周りに調整した状態では、40mmが126g、35mmが100gでした。


40mmは普通の重さですが、35mmの100g台の重さは機械式腕時計としては結構軽い部類に入り、軽快に着けることができます。
装着時の違い
PRXのブレスレットは細かいコマで構成されており、どちらも装着感は良好です。
40mmもそこまでラグtoラグが長いわけではないので、16.5cm程度の腕周りであってもきちんと腕に収まると思います。現代では40mmも標準的なサイズですし、別に不自然に大きいということはありません。


こうなると尚更選ぶのが難しい感じがしますが、私は断然35mmをお勧めします。
一般的な腕時計ではケースが全体的に流線型を描いているのに対して、ラグスポ風のPRXのケースは平面的で、1枚板からダイヤルがボコっと飛び出ているようなデザインです。
これにより、腕周り16.5cm程度の腕に40mmのPRXを着けると「時計」というよりも「1枚板」を腕に乗せているような雰囲気になってしまうんですよね。




デザイン的に細腕に40mmを着けるとケースの存在感が必要以上に強調される感じで、ちょっと大きすぎるように見えます。
35mmモデルだと腕周り16.5cm前後の腕に着けても、しっかりフィットしているように見えます。
初見で35mmを選ぶのは難しい?
なので、腕周りが16cm台であれば35mmの方がお勧めだと思います。
先述の通り私は最初に40mmを買ったのですが、実際に使ってみると「1枚板を乗せてる感」が気になってしまって、すぐに35mmを買い直し、結局は35mmの方を使っています。かなりトチ狂った買い方ですが、まあ、PRXは10万円ぐらいのリーズナブルな値段ですし、40mmはポイントを使って5万円ぐらいで買ってたというのもあります←
ただ、私が店頭で実際に見て、比べて、試着までしたのにファーストチョイスは40mmだったように、ちゃんと店頭で比較したとしても初手で35mmを選ぶのは中々難しいかなぁと思います。。
やっぱり35mmって結構小さい部類に入るので、「小さすぎないかなぁ」って若干の不安がある状態での比較になるんですよね。
しかも5mmの差は結構大きいので、40mmと35mmをいきなり見比べた場合、35mmのレディース感がかなり強いです。
特に、最近のネットの罠で、購入前にいろいろ調べてPCやスマホの画面いっぱいに表示された画像や動画に見慣れてしまうと、現物を見た時に「思ってたより小さいな」と感じがちです。
その状態で40mmと35mmを見比べるわけですから、ますます35mmが「小さすぎる」と感じやすいわけです。
購入前の試着といってもブレス調整をしていない状態で短時間腕に乗せる程度ですから、「1枚板が乗っている感」が気になるかどうか確認するのも難しく、40mmも無事に腕に収まっているのなら、40mmを選んでしまう人が多くなると思います。
もちろん、40mmの存在感や力強さの方がより気に入ったのならば40mmでいいでしょう。いくら装着感が良いとしても35mmが小さすぎると感じるならば、40mmでしょう。最終的には好みの問題ではあります。
これが40mm – 37mm – 34mmと3mm刻みで、明らかにレディースモデルと棲み分けが出来るようなラインナップだったら悩む人も少なかったと思いますが、ユニセックスモデルとして35mmが追加されたので悩む人も多いと思います。
ティソの公式画像を見ても、40mmは腕幅がしっかりある、腕周り17.5cm以上のがっちりとした腕の人向けかなーという感じはします。


試着して、40mmの公式イメージのような装着感になるなら40mm、35mmの方が近いなら35mmという選び方もできると思います。
まあ、現代では35mm前後の小径時計は希少な存在ですから、小径時計の良さを体感できるということからもしても、35mmの方がお勧めです←
というわけで、ティソ・PRXの40mmモデルと35mmモデルの選び方について書いてみました。購入を迷っている方の参考になれば幸いです!
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