グランドセイコーがイマイチ好きになれない理由

日本の腕時計ブランドの最高峰といえば、グランドセイコー。その品質はスイス勢に勝るとも劣らないものとして高く評価され、まさに日本が誇る高級腕時計ブランドです。

しかし、正直私個人としてはどこかイマイチ好きになれないところがあるんですよね。

私の腕時計の趣向が高級品、スイス製に向くまでは「いつかはグランドセイコーを買うんだ!GS最高!!!」とか思っていたのですが、今では正直アウトオブ眼中です。まあ、魅力的なモデル、選択肢が完全に無いわけではないですが…。

今回はそんなGSがイマイチ好きになれない理由を述べてみたいと思います。

「グランドセイコー」という名前がダサい

ぶっちゃけ「グランドセイコー(Grand Seiko)」って名前、ダサくないですか?←

実はグランドセイコーが好きだった頃から、このネーミングだけはあんまり好きではありませんでした。

意味がどうこうという以前に、あんまり良い響きに感じないんですよね。。

普及帯のブランドである「セイコー」を冠しているからダメなのか?でも他のブランドに当てはめてみても微妙に感じます。「グランドティソ」「グランドオリス」は当然の如くダサいし、「グランドロレックス」「グランドオメガ」もしっくりこない。

やっぱり「グランド+メーカー名」という組み合わせそのものがダメなのか・・・?どうしてもメーカー名を入れたいんだったらシチズンの「ザ・シチズン」ぐらい潔いほうがまだマシに感じます。

ちなみに、2017年のセイコー本体からのブランド分離独立以前は「セイコーのグランドセイコー」だった故、文字盤にSEIKOロゴに加えて「GS Grand Seiko」ロゴがあり、「“SEIKO”が3つもある!」と揶揄されていたものです。

SEIKO GS Grand Seiko だった頃

時計に「名前」がない

グランドセイコーの腕時計には「モデル名」「シリーズ名」がありません。

例えばロレックスなら「サブマリーナ」「デイトナ」、オメガなら「スピードマスター」「シーマスター」などと腕時計にモデル名というかシリーズ名があるのが普通ですが、グランドセイコーにはそのような概念が無く、無機質な型番(品番)しかありません。

例えば「白樺」として有名なモデルは単なる「SLGH005」だし、ダイバーズウォッチは「SBGH289」、シンプル3針モデルは「SBGR317」です。ただそれだけで、ちゃんとした「名前」が無いんです。「白樺」とか「雪白」という呼び方はありますが、それらはあくまでも“愛称”であって、正式なモデル名、シリーズ名とは異なるものです。

このような無機質な型番からは腕時計のイメージができないし、愛着も湧きにくいです。

そしてこれって大衆ブランドの売り方なんですよね。例えばセイコー・アストロンならその中に色んな型番がある。シチズン・アテッサならその中に色んな型番がある。グランドセイコーのラインナップもそれと同じになってしまっています。

しかし、セイコー本体のスポーツ系ラインである「プロスペックス」にはちゃんとシリーズ名があるんですよね。

セイコー公式HPより

本格ダイバーズウォッチは「マリンマスター」、クロノグラフは「スピードタイマー」、フィールドウォッチは「アルピニスト」と、ちゃんとしたシリーズ名が与えられています。

なぜ普及帯のラインにシリーズ名があって、独立高級ブランドにはシリーズ名が無いのか?

「セイコーのグランドセイコー」で「最高の普通」をコンセプトにベーシックなモデルを展開するラインだった頃ならこれでも良かったかもしれません。しかし今やセイコー本体から独立してドレス系からスポーツ系まで手掛ける高級ブランドになっているわけですから、もうそろそろちゃんとした名前を付けるべきだと思います。

ラグ穴がダサい

グランドセイコーのケースはラグ部分に穴が開いていて、ダサいです。

基幹モデルはもちろん、

スポーツ系モデルや、

数百万円するドレスウォッチも、

4千万円近い宝飾モデルでさえラグに穴が空いています。

この穴はベルト交換を行うときに使う穴ですが、今はケース裏側からバネ棒外しを使ってベルトを外すのが一般的で、ラグ穴が空いていないとベルト交換ができなくなるわけではありません。確かに昔はラグ穴が空いているのが一般的でしたが、現代の高級ブランドではデザイン性を重視してラグ穴を廃してるのがほとんどで、過去の遺物となったものです。

穴が空いていると美しくありませんし、ただダサいだけです。ケースにラグ穴は開けるのに、金属ブレスレットは穴を隠すためのネジ式だったりして、ちぐはぐです。

「ベルト交換がしやすいから良いんだ!」という好意的な意見もたまに見かけますが、果たしてベルト交換をしやすくするためだけにデザイン性を犠牲にしてケースに穴を開ける必要があるのでしょうか。そもそもベルト交換自体そんなに頻繁にするものでもないですし、自分で交換できる人ならバネ棒外しを使うことができるでしょう。

なぜグランドセイコーが今だにラグ穴にこだわっているのか、本当に理解ができません。

年差クオーツの性能がシチズンの後塵を拝している

セイコーといえば世界初のクオーツ腕時計「アストロン」を世に送り出したクオーツ腕時計の先駆者であり、クオーツショックを引き起こしたまさにクオーツの申し子。

個人的にもセイコーといえばクオーツ、クオーツといえばセイコーというイメージで、クオーツのグランドセイコーというのも魅力的な選択肢だと思っています。

そんなセイコーが誇るグランドセイコーのクオーツモデルは年差±10秒という驚異的な精度を誇ります。

でも、ライバル(?)のザ・シチズンのクオーツは年差±5秒が基本なんですよね。年差±10秒でも十分すぎる精度ですが、クオーツの申し子たるセイコーが、シチズンにダブルスコアで差をつけられるのは情けないです。。。

グランドセイコーも実使用上は年差±1〜2秒だったりするようなのでカタログスペックはあくまでも余裕を見た数値のようですが、それでもカタログスペックという「メーカー保証値」が±10秒と±5秒では、その間には大きな隔たりがあると言えます。

しかも、シチズンは年差±1秒の超高精度を誇るクオーツムーブメントの開発にも成功し、通常のラインナップの中に年差±1秒モデルが並べられています。

それに対してセイコーは、年差±10秒と同じキャリバーで水晶をより激選したものを年差±5秒のモデルとしてたまに数量限定発売するのが精一杯という体たらく。

セイコーとしては高級化を志向する中で機械式やスプリングドライブに力を入れたいのかもしれませんが、クオーツの申し子たるセイコーが年差±10秒の性能に甘んじているなんて残念です。

(機械式で)小径の基幹モデルがない

グランドセイコーは日本のブランドでありながら、小柄な日本人にフィットする小径モデルの選択肢が限られています。実は機械式では小径の「基幹モデル」が実質的に存在しない状態です。

まあ、何を以って「基幹モデル」とするのかという議論はあると思いますが、ここでの基幹モデルの定義を「3針・自動巻き・金属ベルト」という万人受けする時計としましょう。

その条件で小径モデルを検索するとSBGH341 / SBGH343 / SBGH347という37mmケースのモデルが出てきますが、これらは特殊文字盤モデルで基幹モデルとは異なる立ち位置のモデルです。よって、機械式で小径の基幹モデルは存在しないも同然といえます。

実は、かつてはSBGR251 / SBGR253という37mmケースの小径基幹モデルがあったのですが、2021年に廃盤になっているんですよね。今のグランドセイコーはシンプル3針でも40mmが基本サイズになっています。

世界的には大型化の時代を経て小径への回帰がトレンドとなっており、各社が30mm台の小径モデルの拡充を図る中、グランドセイコーは小径モデルの廃止。ちょっとナンセンスと言わざるを得ません。

一応、近年になり37mmサイズのモデルが続々登場しているのですが、手巻き・革ベルトばっかりで、小径は完全にドレスウォッチの位置付けになっているようです。

個人的には時計は小径の方が好みなので、37mm径モデルが復活してくれるとと大変嬉しいんですが…。

新型ムーブメントのスペックが旧型とあまり変わらない

エボリューション9コレクション(当時はヘリテージコレクション シリーズ9)の新作と同時に登場した新型ムーブメントの9SA5。新型脱進機を搭載し注目を集めているムーブメントですが、実はカタログスペックは旧型ムーブメントと大差無いんですよね。

項目9SA59S859S65
静的精度日差-3秒〜+5~-3秒日差+5~-3秒日差+5~-3秒
動的精度日差+8~-1秒日差+8~-1秒日差+10~-1秒
持続時間約80時間約55時間約72時間
振動数36,000振動/時
(10振動/秒)
36,000振動/時
(10振動/秒)
28,800振動/時
(8振動/秒)
OH推奨周期3年~4年に一度程度3年~4年に一度程度3年~4年に一度程度

精度は既存の10振動ムーブメントの9S85と同じです。OH周期が伸びるということもありません。

スイスレバーに変わる新型脱進機を搭載したということでセンセーショナルに登場しましたが、結局はパワーリザーブが伸びただけなんですよね。仰々しいことがたくさんアピールされていますが、そのほとんどが高い効率性の実現に帰結します。「10振動で80時間パワーリザーブを実現するために脱進機を開発しました」と書くとなんかちょっとしょぼく感じます。

パワーリザーブが重要ではないとは言いませんが、やはりここは時計として最も重要な要素である精度を追求したり、機械式時計の宿命である摩耗に対して耐摩耗性を向上させるという方向でも良かったんじゃないかなぁと思います。

GSのこれからには期待したい

とはいえ、スイス勢と少しのドイツ勢が支配する高級腕時計業界において、日本のブランドが活躍するのは日本人として誇らしいことなので、グランドセイコーには頑張ってもらいたいです。

ブランド独立以降、最近はエボリューション9コレクションの投入、新型脱進機を搭載した新型キャリバーの開発などで勢いがあるブランドの1つになっていると思います。

色々気になる点はあるけれど、いつか私がグランドセイコーの時計をお迎えする日が来たらいいなぁと思います←

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