CMSをMovable Typeにしたのは失敗だったかもしれない

このサイトは2019年2月の再始動時にMovable Typeを採用して製作を始めましたが、なんだか最近、Movable Typeにしたのは失敗だったかなーと強く思うようになりました。

ブログ黎明期に隆盛を極めブログソフトのトップの座に君臨していたMovable Typeですが、ライセンス問題の発生やWordPressの登場により、その座をWordPressに奪われて以降、一気に衰退。

私が個人サイトをやっていた頃(2000年代半ば)ぐらいまでは、Movable Typeにするか?WordPressにするか?という二択がまだあったと思うのですが、今やMovable Typeは選択肢にすら挙がらず完全にWordPress一択の状況です。

そんな状況にも関わらずあえてMovable Typeを選んだ理由は、静的なサイト作りがしたかったから、URLが”.html”で終わるサイトにしたかったからでした。

また、基本有料・個人利用無償だったMovable Typeは上級者向けのイメージがあり、昔から憧れのようなものがあったというのもあるかもしれません。今度はあの憧れのMovable Typeを使ってやるぞ、みたいな。これまでNucleus CMS、WordPressと渡り歩いてきましたし。

ただまあ、WordPressも”.html”で終わるURLにすることはできますし、となると実質的なメリットは静的なサイト作りができるというだけになります。

静的CMSだと放置されてシステムに問題が発生したとしてもサイトは表示され続けるとか、高速にページを表示できる、といったメリットはありますが、それをもってしても有り余るデメリットがMovable Typeにはあるというのを、今更ながら痛感しつつあります。

とにかくテーマがない!!!

Movable Type導入時から感じていたことですが、Movable Typeはとにかく一般配布されているテーマがありません。

デフォルトでインストールされているテーマで、現代の必須機能あるレスポンシブに対応しているのは2つだけ(EigerとRainier)。そのうちレイアウト的に普通のブログに使えそうなのはRainierだけで、個人サイトが使えるのは実質1つのみになります。

じゃあ、他にサードパーティのテーマはないかと探してみても、これが全く無い。

「Movable Type テーマ」で検索するとトップに出てくるMovableType.netテーマギャラリーというページは、いかにも公式な感じで「なんだよ、公式もたくさんあるじゃん!」と思ったものの、どこからもダウンロードするページがない。

・・・これはMovable Type.netという、シックス・アパート公式のレンタルCMS(?)でしか使えないテーマでした。チックショーーー!(コウメ太夫)

シックス・アパート公式サイトでもテーマ配布サイトが2つだけ紹介されていますが、いずれも既に放置されているもので、対応していているMovable Typeのバージョンも古く、使えたものではありません。

有料でもいいからと探しても無い。

とにかく、Movable Typeのテーマを配布しているサイト自体がありません。

実質、Rainierの1つしか使えないというのは流石に辛い。Rainierも悪くはありませんが、シンプルすぎて正直味気ないですし、かといってかつての個人サイトを彷彿とさせるショボさ(懐かしさ)もないし、ちょっと微妙。

Webを検索してると出くわす、優れたデザインで、リッチな見出しで、ちゃんとデザインされた目次があるブログがヒットすると、それが羨ましく感じてしまいます。

シェアは力。絶対王者WordPressの前にMTは虫の息

やはりソフトウェアにおいてシェアというのは力なんだな、と痛感します。みんなが使っていれば、シェアが高ければ、テーマやプラグインもたくさん開発されるし、情報も充実します。

WordPressの公式サイトによれば、なんとWeb上のサイトの43%がWordPressを使っているとのこと。

調べているとそのソースと思われるサイトがあったので確認してみました。

CMSの世界シェア
Usage statistics of content management systems – W3Techs
※画像は2023年3月記事執筆時点のデータ

WordPressは全Webサイトベースで43%、CMS別では63%と、2位以下に大差をつけての圧倒的1位。

大差というか、デファクトスタンダードのレベルで、PC界におけるWindowsのような存在。

我らがMovable Typeは何位かとスクロールするも、全然出てこない。

なんと、表に記載されず、シェア0.1%以下のその他CMSの中にまとめられていました・・・。
まさかそこまで低いとは・・・。

アメリカ生まれのMovable Typeですが、今は日本が中心となり開発されています。ソースのサイトには日本語サイトにおけるシェアも情報もあったので、確認してみました。

Movable Typeのお膝元での結果は・・・?

日本のCMSシェア
Distribution of content management systems among websites that use Japanese – W3Techs
※画像は2023年3月記事執筆時点のデータ

日本語サイトでもWordPressが83%で圧倒的1位、Movable Typeは14位で、シェア0.3%でした・・・。

あのホームページ・ビルダー以下はワロタwwwワロタ・・・。

Google Trendsで見ても、今やMovable Typeで検索する人なんて居ないレヴェル。

Google Trends

ここまでシェアが低いとなると、テーマが全然無いのも納得です。

ブログ黎明期、Movable Typeがよく使われていた時代を知っているので、ここまで衰退しているとはショックです。。

MTは次期Ver.で伝統的なブログ機能が廃止へ。個人向けブログソフトとしては終わるのか

まあ、シェアが低いぐらいではまだ良かったのですが、今秋リリースされる予定のMovable Type 8では伝統的なブログ機能を含むいくつかの機能が廃止されることが発表され、これはちょっと心理的にもキツイです。

MT8では、「XMLRPC API, Atom Publishing API」、「トラックバックの送受信」、「更新Pingの送信」が廃止されることになりました。

トラックバックはMovable Typeが初めて実装したもので、ブログをブログたらしめる機能としてブログ黎明期においては広く使われていた機能ですが、その本家本元であるMovable Typeがトラックバック機能を廃止することになるとは。

まあ、2010年代に入るとスパムの問題が深刻化して機能しなくなり、各ブログサービスで相次いで廃止され、使われなくなった機能ではありますが・・・。

更新Pingもにほんブログ村みたいなランキングサイトに参加するためには必要ですし、AtomフィードもRSS(フィード)リーダーで購読するには必須で、こちらは個人ブログとしてはまだ現役の機能であるはずですが、廃止。

利用頻度の少ないと思われる機能や、歴史的に役割を終えたと考えられる機能について、廃止することにしました。

2023年秋にリリース予定の Movable Type 8 の概要

とのことですが、個人が使うブログソフトウェアとしての終わりを感じる機能廃止で、かつてのMovable Typeを知る身からすると一抹の寂しさを感じてしまいます。

まあ、個人ブログの衰退に伴いランキングサイトもそんなに使われていないし、フィードもRSSリーダーが相次いてサービス終了するなど、たしかに歴史的に役割を終えつつあるものですが、それでもやっぱり廃止は痛い。

フィードはテンプレートを編集することでまだ出力が続けられるとは思いますが、更新Pingはどうしようもないと思うので、うちのサイトとしてはバージョンアップはせずMT7で頑張り続けることになりそうです。

正直ランキングサイトからの流入は無いですし、SEO的にもあまり意味はないのかもしれませんが、ランキングサイトでの被リンクすら獲得できないというのはちょっと・・・。

そもそも、Movable Typeの開発が日本主導となったのも、WordPressが台頭してきたときに日本にはまだ企業ニーズがある、というのが理由で、そもそも日本にすらMovable Typeを個人で使っている人なんてもともとほとんど居なかった、ということのようです。

シックス・アパートは9月29日、ブログツール「Movable Type」(MT)の開発を、米国主導から日本主導に切り替えると発表した。企業によるブログ利用が急速に広がっている日本で、ニーズにいち早く応えられる体制を築く。
(中略)
シックス・アパートは、日本法人設立当初から企業への導入に注力してきた。「日本の売り上げは、個人向けよりも法人の方が圧倒的に多い」(関代表取締役)

Movable Type開発は日本主導に 企業ニーズに対応 – ITmedia

となると、伝統的なブログ機能が廃止されるのも、さもありなんといったところでしょうか。

WordPressへ移行すべきか…

テーマがまったくない、シェアが虫の息、個人ブログソフトとしての終わり、を考えるとMovable TypeからWordPressへ移行すべきか、、、と真剣に考えざるを得ないですね。

WordPressはテーマがたくさんあるし、有料テーマまで含めるとすごいリッチなデザインのテーマも使えるのは魅力的です。

私はここをブログではなくサイトとしてやりたいと思っているので、固定ページの機能が弱そうなWordPressには不安もありますが、かといっていつまでもMT7のままバージョンアップせず延々と使い続けるというのは、持続可能性がありません。

MT8にするにしても、個人向けブログとしての役割を終え、大規模CMSとしての進化を続けようとする最新のMovable Typeを使うというのも、なんだかなぁと思います。

「サイト」として、自分でHTMLやCSSを買いて構築するならばMovable Typeでもいいのでしょうが、現代のWeb制作は素人には高度化しすぎて、そこまでする気力もありません。

個人サイトの時代はは自分でデザインしていましたし、ブログになってからもNucleus CMSの頃はオリジナルのテーマを作っていたものでしたが、現代のレスポンシブ対応とか、今から習得するのはちょっとキツイ。

フラットデザインが主流になり、簡単なデザインでも許されるようになっているのは追い風とはいえ…。

うーん、どうしたものですかねぇ。。
もしかしたら、3月中にもWordPressになっているかもしれません←

まあ、今後CMSをどうするかは、まだちょっと考えたいと思います。。

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